タイに到着後イミグレーションで入国を拒否された——そんな事態は、突然起こるもので、戸惑いや不安で頭が真っ白になるかもしれません。しかし、そんなときこそ冷静に、状況をひとつひとつ確認していくことが大切です。今回は、タイの空港で「入国拒否(denied entry)」に直面した場合に取るべき行動について、現場での流れを追いながらご紹介します。
入国拒否の理由を確認
まずは、入国拒否の理由を明確に確認しましょう。入国管理官からは「タイ入国管理法第12条」などの法的根拠を示されることが一般的で、その上で「なぜ入国を許可できないのか」という理由が告げられます。例えば、「有効なビザが確認できない」、「過去の出入国履歴が不自然である」、「ブラックリストに名前が載っている」、「過去にタイで不法就労していた」、「入国目的と申告内容が一致していない」などの理由が挙げられます。また、治安上のリスクがあると判断された場合も入国が拒否される可能性があります。
ただし、こうした理由は必ずしもその場で丁寧に説明されるとは限らず、曖昧な説明で済まされることもあるため、言葉が通じる職員を求めてしっかりと確認を試みてください。
「強制送還」or「自主出国」
入国が拒否された場合、その後の対応は大きく二つに分かれます。ひとつは、タイ政府による「強制送還措置」、もうひとつは、自分の費用で第三国または出発地に戻る「自主出国」です。
強制送還となると、出入国記録に「Deported(強制送還)」と記されることになり、これは今後のタイ入国に大きな影響を与えます。ブラックリストに登録され数年間の入国禁止となる可能性もあります。
その一方、自費での自主出国であれば、記録に残るインパクトが比較的軽く、将来の再入国の可能性が残されます。そのため、選択肢がある場合は、可能な限り「自主出国」を選ぶ方が望ましいといえるでしょう。
空港内での拘束
「自主出国」を希望する場合でも、空港内での拘束(Detention Roomでの待機)は避けられないことが多く、出国までの手続きや費用(航空券代など)は基本的に自己負担となります。
出国はなるべく日本へ
入国拒否された後の出国は、どこの国への出国でも問題無いはずですが、母国(日本人の場合は日本)以外の第3国への出国の場合、「また、タイへの入国するために戻ってくるのではないか?」とイミグレーションが勘ぐって「母国以外の出国は認めない」と言われることがあります。出国先は最初から日本を選んだ方が無難です。
一時的拘束
多くの場合、入国拒否が確定した後は、空港内の専用エリア、いわゆる入国管理区域(Detention Room)で一時的に拘束されることになります。ここでは、パスポートや携帯電話などの所持品を一時的に預けさせられることもあります。出国便の手配が完了するまでの間、この場所で待機することになりますが、その間にどの便でどこへ出発するのか、航空券は誰が手配するのか、自分の所持品はきちんと返却されるのかといった点について、できるだけ早めに確認しておくと安心です。
言葉に不安がある場合は、英語や日本語が話せる係官への対応を求めることができますし、通訳の手配が可能な場合も多いです。
日本大使館や現地弁護士へ連絡
また、必要に応じて、日本大使館や領事館に連絡することも可能です。例えば、パスポートの押収や不当と思える扱いを受けた際にはすぐに相談しましょう。バンコクの在タイ日本国大使館では緊急時のサポートを受け付けています。さらに、不当な措置であると感じた場合には、現地の弁護士に相談するという選択肢もあります。
今後の再入国にも大きな影響
このような一連の出来事は、その場限りのトラブルでは終わらず、今後の再入国にも大きな影響を与えます。入国拒否の記録が残れば、次回のタイ入国時に再びトラブルになることも考えられます。特にブラックリストに載ってしまった場合は、数年単位で入国禁止となるケースもあり、また、観光ビザやノービザでの入国申請が却下されることもあります。再入国を検討する際には、ビザの取得や滞在目的をしっかりと証明するための書類(ホテルの予約確認書、帰国便の航空券など)をあらかじめ準備しておくことが重要です。
まとめ
以上のように、タイのイミグレーションで入国を拒否された場合には、まず理由をしっかり確認し、冷静に対処することが求められます。強制送還という記録を残さないよう、自主出国を選ぶという判断も時には有効です。何か問題が起きた際には、大使館や弁護士と連携することでより良い解決に導くこともできます。
<参考情報>
タイ入国管理法第12条
次のいずれかの特徴を有する外国人は、王国への入国を許可しない。
有効かつ正当なパスポートまたはそれに代わる書類を所持していない者、またはそれらの書類に対し、タイ国外のタイ王国大使館・領事館もしくは外務省から査証(ビザ)を取得していない者。
※ただし、特定の外国人について査証が免除されている特別な場合はこの限りでない。
※査証の取得および免除については、関係する省令で定める基準、方法および条件に従うこと。
※(1)の査証取得には、省令で定める手数料が必要とされる。
入国の目的に照らして、適切な生計手段を有していない者。
労働者としての就労、または技能や専門的な訓練を伴わない肉体労働による就労、または外国人の就労に関する法律に違反する形でのその他の業務を目的として入国する者。
精神に異常をきたしている者、または省令で定める特定の疾病を有している者。
天然痘予防の予防接種やその他の感染症に対する医学的予防処置を受けていない者、または入国審査医師による診察や処置を拒否する者。
タイの裁判所、適法な命令、または外国の裁判所により禁錮刑を受けたことがある者(軽微な犯罪、過失犯、省令で免除されるものを除く)。
社会に害を及ぼす恐れがある者、公の安全、治安、または王国の安全を脅かす可能性があると信じられる者、または外国政府によって逮捕状が発行されている者。
売春、人身売買、麻薬取引、密輸、または公序良俗に反する活動を目的として入国する恐れがあると信じられる者。
内務大臣の告示に基づき、所定の保証金または所持金を有していない者。
第16条に基づき内務大臣から入国を許可されていない者。
タイまたは外国の政府により国外追放された者、居住権を取り消された者、またはタイ政府の費用で国外送還された者。
※ただし、内務大臣が個別に特例として入国を許可する場合を除く。
感染症の予防、身体または精神の健康診断に関する処置については、入国審査官である医師が行うものとする。
注)日本語訳は簡易翻訳です。詳細はタイ語の原本をご参照ください。
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